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ITブロガー、新野淳一氏に聞く(第2回)

ITブロガー、新野淳一氏に聞く 第2回ビデオ会議はカジュアルに始めよう

利用者サイドが主役となる「グリーン by IT」。この領域において、多くの企業で共通して導入効果を見込める代表的な例が、遠隔地の参加者をつなぐビデオ会議だろう。第2回目は、このビデオ会議について、そのメリットや導入する際のポイントなどについて伺った。

要するに、人の移動をなくすことによってCO2を削減するというものです。これは直接的かつ一番大きな効果でしょう。
さらにもうひとつ副次的な効果は、出張するよりも気軽に密なコミュニケーションが取れるようになることです。遠隔地とも頻繁に打ち合わせができれば、業務プロセスの効率、製造や物流の効率も上がります。間接的にCO2の削減につながるのです。
ビデオ会議の普及状況として、電話を使った会議などテレカンファレンスの文化がある米国では、一般の会社でもビデオ会議が盛んに行われています。一方、日本ではこうした文化を持たないため、導入率はまだ高くありません。新しい会社、特にIT系やベンチャー系、外資系などの企業から徐々に普及が始まっているという印象ですね。

会社のオフィシャルな会議よりも、カジュアルな会議から始めるのがいいかと思います。少人数での打ち合わせとか、ブレストとか。
現状、ビデオ会議のシステムには大きく3つのタイプがあります。パソコン付属のカメラとマイク、Skypeのような無料のテレビ電話ソフトを組み合わせるタイプ。これはお金をほとんどかけずに用意できます。第2が普通の会議室に専用のカメラとマイク、モニターが付いていて、必要に応じ遠隔地と結ぶことができるタイプ。必要な費用は数十万~数百万ぐらいで、これがよく知られる一般的なビデオ会議システムです。そして第3は最近登場してきた「テレプレゼンス」というものです。遠隔地の参加者が等身大で映る巨大なモニターが用意され、映像と音声が同期し、音声の出る位置も調整してある。徹底してリアリティを追求したシステムで、会議室の改造や回線費用込みで数千万円という超高級なビデオ会議システムです。
ビデオ会議を体験してみると分かるのですが、きちんと会議をしようとすると、それなりの慣れが必要です。同時に話さないとか、司会者を置いて進行をコントロールするとか。こうした慣れを習得する、ビデオ会議って便利なんだというコンセンサスを社内で作る、という2つの意味で、お金をかけずに始められる第1のタイプを使って、まず草の根的にでも始めてみることです。最近のパソコンならカメラもマイクも標準装備という機種は増えているし、どの会社でもインターネットが使えるでしょうから、ソフトだけダウンロードすれば、すぐ始められると思います。

映像と音声だけのコミュニケーションなら、Skypeのような無料ソフトでも暗号化機能が組み込まれているので、神経質になる必要はほとんどありません。文字を使ったチャットやプレゼンテーション用データも組み合わせるようなケースでは、盗聴などのリスクを若干意識しなくてはならないでしょう。
しかし、こうしたリスクは電子メールでもつきまといます。したがって、電子メールも含めた電子的なコミュニケーションを行う際の包括的なルールを作成しておけば充分です。
それよりも、日ごろから積極的にビデオ会議を使ってみる、ビデオ会議の便利さを多くの人に理解してもらう、といったように企業内の文化を変えていくことが重要です。カジュアルなビデオ会議を頻繁に行うようになれば、その後、本格的なビデオ会議システムを導入しても質の高い会議が行え、無駄な投資とはならないはずです。

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プロフィール

新野 淳一氏

大学でUNIXを学び、1988年に株式会社アスキーに入社。データベースのテクニカルサポート、IT系雑誌編集などを経て、いったんはフリーランスのライターに。2000年には株式会社アットマーク・アイティの設立に参画し、取締役就任。IT技術系のWEBサイト「@IT」の立ち上げにも関わる。2008年、「@IT」発行人を退任し、再びフリーランスに。2009年からは、独自の視点でIT業界やオンラインメディアの動向をウォッチするブログ「Publickey」を個人で運営。エンタープライズ系ITイベントでの講演なども精力的に行っている。

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